マスタとは

マスタとは、システム内で共通して参照される基本的な情報(データ)を指します。
顧客、社員、製品など、業務処理に必要な基礎情報を一元的に管理します。

  • マスタを活用することで、入力のゆらぎ(表記ゆれ)を防ぎ、正確かつ一貫した情報管理が可能になります。
  • 検索・集計などの処理も効率的に行うことができます。
  • システムの整合性を保つため、マスタ情報は削除できません
  • 名称やコードなどの項目は編集可能です(ユーザー編集が許可されているマスタに限ります)。

コードとは

コードとは、マスタに付与される一意の文字列(最大64文字)で、情報を識別するために使用されます。

  • 英数字のほか、漢字・ひらがな・カタカナなども使用可能です。
  • 顧客コードや社員番号など、業務上の管理項目として柔軟に設定できます。
  • コードは編集可能です(ユーザーによる編集が許可されているマスタに限ります)。

idとは

IDとは、マスタや案件、アクションなどの各要素を一意に識別するためにシステム上で自動的に付与される番号です。

  • IDはシステム内部で管理される重要な識別子であり、変更・編集はできません。

案件とは

案件とは、出願や契約など、業務上取り扱う対象となる個別の事柄を指します。

  • 案件には必ず一意の当所整理番号が自動的に付与され、この番号をもとに案件の管理を行います。
  • 案件を作成する際には、以下のような属性情報を設定します。
    • 案件種別
    • 国内外区分 など

案件種別

案件種別説明
出願仮想案件に対して出願案件と呼ぶ
案件作成時点で出願が確定していない見積依頼なども、今後出願につながる案件は出願案件で作成する
仮想案件優先権主張した基礎案件で、期限等の管理が不要の案件に使用する
通常案件より管理項目が少ないため、期限等を管理したい案件は出願案件で作成する
係争他社の権利に関する係争案件(当事者系審判、裁判請求)に使用する
自社管理案件の係争(査定系審判、裁判被請求)は出願案件の「審判異議」タブと「データベース>係争アクション」タブで管理する
契約通常実施権・専用実施権等の管理等に使用する
営業秘密営業秘密等に使用する
その他その他の管理に使用する

国内外区分

国内外区分説明
純国日本出願人が日本特許庁に出願する場合に使用する
内外日本出願人が外国特許庁に出願する場合に使用する
外内在外出願人が日本特許庁に出願する場合に使用する
外内で案件作成すると、「データベース>受任」タブ「受任書誌」テーブルに「在外期限F」に自動でチェックが入る
「在外期限F」にチェックがあると、標準アクショントリガ設定、発送書類マスタ(OAアクション設定)の在外期限が適用される

アクションとは

案件に紐づく個別の業務(作業単位)を示しています。

  • 1つのアクションには、以下の情報が含まれます
    • 対応すべき内容
    • 期限情報(法定期限・技術期限・事務期限、など複数設定可能)
    • 担当者情報(複数名の設定も可能)

アクション種別とアクションの自動設定

root ipではアクションの性質ごとにアクション種別としてカテゴライズしています。

一部のアクションは、案件の登録に応じて自動的に作成されます。
係争受アクション、指定国アクション、ユーザアクションは自動でたてることはできませんので手動でアクションを登録します。

※自動設定が可能なアクションには運用にあわせて「【アクション追加期限設定】追加期限の自動設定をする 」もおすすめです。
※アクションの詳細は「【アクション】アクションを登録する」をご参照ください。

アクション種別説明自動設定
標準アクション基本的にその案件で1度しか起こらないアクション(例、出願、審査請求)標準アクショントリガ設定
OAアクション主に中間対応などで、複数回発生するアクション(例、拒絶理由通知)庁発送書類マスタ(日本のみ) ※システム既定のためユーザ設定不可
年金アクション年金を管理するアクション、納付年度ごとに作成(例、年金納付)国別年金更新設定(年金)
更新アクション商標登録更新を管理するアクション、更新回数ごとに作成(例、更新申請)国別年金更新設定(更新)
係争受アクション出願案件における係争受関係のアクションなし
IDSアクションIDS対応国案件におけるファミリー内のOAに対するIDS提出業務のアクション国マスタ+発送書類マスタ(詳細は【IDS設定】IDSアクションの設定をするを参照)
マド指定国アクションマドプロ案件における指定国内のOAアクションなし
ユーザアクション上記以外のアクションに使用
(基本アクション名はテキスト入力ですがマスタ化も可能)
なし

キューとは

root ipクラウドでは、トリガーとなる情報をもとに、案件やアクションの内容が自動で更新される仕組みを備えています。
ただし、すぐに反映されるのではなく、ユーザーが更新内容を確認・承認してから登録される仕様です。
この登録待ちの更新情報の候補を「キュー」と呼びます。
※Queue(キュー)とは、「順番待ちの列」や「待機行列」といった意味を持ち、システム用語として一般的に使用されます。

キューには以下の種類があります。
なお、現在「テーブル/アクション同期キュー」は作成自体はされていますが、キューの実行は自動で行うようになっておりますのでお手元でご操作頂く機会はございません。

キュー説明
テーブル更新キュー案件データの更新、庁書類取り込みなどをトリガとして、案件データを自動更新するキュー
アクション作成キュー案件データの更新、庁書類取り込みなどをトリガとして、新規アクションを作成するキュー
アクション期限更新キュー案件データの更新、庁書類取り込みなどをトリガとして、作成済み標準アクションの期限を更新するキュー
テーブル/アクション同期キュー案件データの更新、又は、アクションの法定処理日の入力をトリガとして、
案件データの日付とアクションの処理日を同期させるキュー
案件/庁書類同期キュー庁書類取り込みをトリガとして、案件データに庁書類の内容を反映させるキュー
OAアクション法定期限消込キュー庁提出書類取り込みをトリガとして、対応するOAアクションの法定期限の処理日を消し込むキュー
IDSアクション候補新規OAアクション作成をトリガとして、IDSアクションの候補を作成させるキュー

特許庁HTMLファイル(庁ファイル)とは

特許庁HTMLファイル(庁ファイル)とは日本の特許庁が提供する「インターネット出願ソフト」からHTML形式で出力されるファイルです。
ファイルを添付することで、システム上にデータを取り込み、案件情報の更新や庁ファイルビューアでの閲覧が可能になります。
なお、以下のHTMLファイルは庁ファイル添付には対応しておりません。

  • インターネット出願ソフト以外のシステムを介して変換されたHTMLファイル
  • インターネット出願ソフトの「請求」タブから出力したHTMLファイル
  • 発送目録のHTMLファイル

仮明細・請求書・合算請求書・合計請求書とは

請求書の作成の流れとしては、まず「仮明細」を作成した後、発行する形式を整えた「請求書」や「合算請求書」を作成します。
「合計請求書」は請求書をまとめる際に使用します。請求書を作成する手順で「見積書」を作成することも可能です。

種別説明
仮明細費用科目と数量を入力し請求の内容を登録したデータ
一時保存として利用したり、合算請求書を作成するために利用する
請求書仮明細データを引き継いで作成する請求データ
アクションや担当者との紐づけを登録する
合算請求書複数の仮明細を合算し作成する請求データ
現地代理人の請求分と当所分を合算して請求する場合や、
異なる費用負担率が混在する請求書を作成する場合に利用する
合計請求書複数の請求データを合計した請求データ
定期的に複数の請求書をまとめた請求書を発行する場合に利用する